第15章 Workers AI・AI Gateway・Copilot・MCPで“今どきのWorker学習”に仕上げよう 🤖☁️🪄
この章は、これまで作ってきた Worker を「ただの返事マシン」から、「AIを呼べるアプリの土台」へ育てる章です 😊 Cloudflare では、Workers AI を Worker から binding 経由で呼べます。さらに AI Gateway を前に置くと、分析、ログ、キャッシュ、レート制限、リトライ、フォールバックまでまとめて扱えます。つまり、AIを呼ぶだけでなく、AIをちゃんと運用する入口まで一気につながります。 (Cloudflare Docs)
この章で目指すのは、次の4つです ✨
- Worker から AI を1回ちゃんと呼べるようになる
- AI Gateway を通して「見える化」と「守り」を足せるようになる
- Browser Rendering や MCP を見て、「AIに何をさせられるのか」の視野を広げる
- Copilot を“コード生成機”ではなく“Cloudflare学習の相棒”として使えるようになる
1. まず全体像をつかもう 🧭
この章の主役たちは、役割を分けて考えるとスッと入ります。 Worker は司令塔、Workers AI は推論担当、AI Gateway は見守り役、Browser Rendering はブラウザ操作役、MCP はAIと外部ツールをつなぐ共通口、Copilot は学習と実装の相棒、という感じです。MCP は外部アプリやツールとAIをつなぐオープン標準で、VS Code では MCP サーバーが tools・resources・prompts・interactive apps を提供できます。 (Cloudflare Docs)

2. まずは Worker から AI を1回呼ぼう 🚀
Workers AI を Worker から使うには、まず binding を作ります。wrangler.jsonc に ai.binding を足すと、Worker 側では env.AI として扱えます。Cloudflare の公式導線でも、ここが最初の入口です。 (Cloudflare Docs)
{
"ai": {
"binding": "AI"
}
}
最初の1本は、難しく考えず 「文字を受け取る → AIに投げる → 結果を返す」 で十分です。env.AI.run() は、モデル名を第1引数、入力オブジェクトを第2引数に渡す形です。 (Cloudflare Docs)
export interface Env {
AI: Ai;
}
export default {
async fetch(request: Request, env: Env): Promise<Response> {
const url = new URL(request.url);
if (url.pathname === "/ask") {
const q =
url.searchParams.get("q") ??
"Cloudflare Workers を初心者向けに3行で説明して";
const result = await env.AI.run("@cf/meta/llama-3.1-8b-instruct", {
prompt: `次の質問に、やさしく短く答えてください。\n${q}`,
});
return Response.json(result);
}
return new Response("try: /ask?q=Cloudflareって何?", {
headers: { "content-type": "text/plain; charset=UTF-8" },
});
},
} satisfies ExportedHandler<Env>;
ここで大事なのは、AI機能を増やす前に、まず Worker の中で AI 呼び出しを普通の関数呼び出しみたいに感じることです 😌
「AIは特別な巨大システム」ではなく、「binding された外部機能のひとつ」と見えるようになると、急に扱いやすくなります。 (Cloudflare Docs)
3. “アプリ感”を出すなら、JSONで返そう 📦✨
Workers AI は OpenAI 互換エンドポイントも用意していて、/v1/chat/completions と /v1/embeddings が使えます。つまり、既存の OpenAI 系SDKの書き味をかなり流用しやすいです。さらに JSON Mode に対応していて、自然文ではなく、構造化された JSON を返させる こともできます。これは React 画面やフォーム連携と相性がとても良いです。 (Cloudflare Docs)
たとえば「商品情報を要約して、title と summary と tags で返す」みたいにしておくと、フロント側は文字列を頑張って解析しなくて済みます。
このへんに来ると、AIは“文章生成”というより、Worker の中で動く便利な変換エンジンに見えてきます 🤖🧩 (Cloudflare Docs)

4. AI Gateway を通して、“動く”から“一応安心”へ 🛡️📊
AI を呼ぶだけなら Workers AI 単体でも動きます。 でも、実務っぽくなるほど「何回呼ばれた?」「いくらくらい使ってる?」「同じ問い合わせを毎回AIに投げる必要ある?」「落ちたらどうする?」が気になってきます。そこで AI Gateway を間に入れます。Cloudflare 公式でも、AI Gateway は analytics、logging、caching、rate limiting、request retry / fallback をまとめて担う存在として整理されています。 (Cloudflare Docs)
Workers AI と AI Gateway は binding ベースでもつなげられて、env.AI.run() の第3引数で gateway 設定を足せます。 (Cloudflare Docs)
const result = await env.AI.run(
"@cf/meta/llama-3.1-8b-instruct",
{
prompt: "CloudflareでAI Gatewayを使う理由を初心者向けに説明して",
},
{
gateway: {
id: "my-gateway",
skipCache: false,
cacheTtl: 3360,
},
}
);
この章では、AI Gateway を「高級機能」ではなく、AI呼び出しの前に置く監督さんくらいで覚えるとちょうどいいです 👀 最初から全部の設定を極めなくてよくて、まずは「ログを見る」「キャッシュを効かせる」「将来フォールバックできる」と知るだけで十分強いです。 (Cloudflare Docs)

5. Browser Rendering を知ると、AIに“見る力”を足せる 👓🌐
Cloudflare Browser Rendering は、Cloudflare のネットワーク上で headless Chrome を動かせる機能です。Quick Actions ならスクリーンショットや PDF 生成、簡単なスクレイピングを1リクエストで行えます。Browser Sessions なら Puppeteer、Playwright、CDP、Stagehand で、もっと本格的なブラウザ操作ができます。 (Cloudflare Docs)
しかも最近の公式導線では、AI agent browsing として Playwright MCP や CDP + MCP clients まで出てきています。さらに Workers AI と組み合わせて、Webページを見に行って JSON で情報抽出する例も公式にあります。つまり、 Worker がAIを呼ぶ → AIが必要に応じてブラウザで情報を見る → 構造化して返す という流れが、Cloudflareの中でかなり自然につながっています。 (Cloudflare Docs)
ここは「今すぐ全部やる場所」ではなく、CloudflareはAIを“推論だけ”で終わらせず、行動まで広げやすい と感じる場所です 🚶♂️💨 (Cloudflare Docs)

6. Copilot は“書かせる”より“Cloudflare流に寄せる”のがコツ 🧠✍️
Cloudflare 公式は、AI ツール向けに Workers のベースプロンプトまで用意しています。そこでは、TypeScript を基本にすること、ES Modules を使うこと、Cloudflare のベストプラクティスに寄せること、secrets をコードに埋め込まないことなどが整理されています。さらに GitHub Copilot では、リポジトリ直下に .github/copilot-instructions.md を置いて、プロジェクト用の指示を足せます。 (Cloudflare Docs)
たとえばこの章のプロジェクトなら、こんな指示を置いておくとかなり噛み合いやすくなります ✨
## Copilot instructions for this Cloudflare Workers project
- TypeScript を優先する
- Cloudflare Workers 向けの ES Modules 形式で書く
- 設定は wrangler.jsonc と bindings を前提に考える
- secrets をコードへ直書きしない
- まずは依存を増やしすぎず、Workers 標準APIを優先する
- AI を使う場合は Workers AI と AI Gateway を第一候補にする
- 例は初心者向けに短く、コメント付きで示す
これを入れておくと、Copilot が Node サーバー前提の答えへ脱線しにくくなります。 つまり Copilot のコツは、「賢い相手を使う」より、自分の土俵を先に渡す ことです 😊 (Cloudflare Docs)

7. MCP を入れると、Copilot が“外の世界”に触れやすくなる 🔌🤖
GitHub Copilot の agent mode は、複数ステップを自律的に進める機能で、MCP サーバーと組み合わせると外部リソースやツールにアクセスしながら作業を進めやすくなります。GitHub 公式でも、MCP によって agent mode のループがかなり強くなると説明されています。 (GitHub Docs)
VS Code 側では、MCP サーバーを追加・管理できて、resources、prompts、interactive apps まで扱えます。Chat Customizations editor からまとめて管理する導線もあります。 (Visual Studio Code)
Cloudflare 側もかなり本気で、managed remote MCP servers を OAuth 接続で提供しています。特に Cloudflare API MCP server は、DNS・Workers・R2・Zero Trust などを含む Cloudflare API 全体へつながり、しかも 2,500超のエンドポイントを全部バラバラのツールとして見せるのではなく、search() と execute() の2ツールで扱えるよう工夫されています。かなり“今どき”です 😳✨ (Cloudflare Docs)
さらに、自分で remote MCP server を Workers 上に作ることもでき、Streamable HTTP を使う現在の仕様に沿って公開できます。認証なし版と、認証・認可つき版の両方があり、Access for SaaS で保護する導線もあります。複数の MCP サーバーを1つの入口にまとめる MCP server portals もあり、Access ログや任意で Gateway 経由のHTTPログ/DLPも組み合わせられます。 (Cloudflare Docs)
ここは初心者には少し未来感が強いですが、意味はシンプルです。 「AIに何をさせるか」を、ただの文章指示ではなく、“安全に使える道具”として渡す世界 が MCP です 🛠️✨ (Cloudflare Docs)

8. Next.js は紹介だけで十分。でも、つながりは知っておこう ⚛️➡️☁️
この講座では Worker が主役です。 ただし今の Cloudflare では、Next.js も Workers にデプロイでき、OpenNext adapter を使う導線があります。App Router、Pages Router、SSR、ISR、Server Actions、Middleware なども対応範囲に入っています。さらに自動設定では、R2 が有効なアカウントなら Next.js のキャッシュ用に R2 が組まれることもあります。 (Cloudflare Docs)
なので、この章では 「React画面から Worker の /ask を叩く」 までできれば十分です。
Next.js は“次の発展先”として知っておけばOKです 🌱 (Cloudflare Docs)
9. この章の演習課題 🧪🎯
/ask?q=...で Workers AI を呼ぶ Worker を作る- 返り値を JSON でそろえ、React 側で表示しやすくする
- 同じ呼び出しを AI Gateway 経由に変えて、ログとキャッシュを確認する
- 発展として、Browser Rendering で1ページ読ませて、その内容を Workers AI で要約する
- さらに発展として、Copilot 用の
.github/copilot-instructions.mdを作り、Cloudflare向けのコード提案精度を上げる
10. この章のまとめ 🌈
第15章は、「AIを使う章」ではありますが、本当のテーマは Cloudflareの世界が1本につながる感覚 をつかむことです。 Workers AI で推論し、AI Gateway で観測し、必要なら Browser Rendering で見に行き、MCP で外部ツールにつなぎ、Copilot で学習と実装を加速する。ここまで見えると、最初の Hello World がちゃんと“今の開発”につながっていたことがわかります。 (Cloudflare Docs)
この章のゴールは、全部を今日マスターすることではありません 🙌 「CloudflareのWorkerは、AI時代の司令塔になれる」 と実感できたら大成功です。 (Cloudflare Docs)
必要なら次に、そのまま続けて 「第15章の学習目標・演習課題・成果物・想定学習時間つき教材版」 に落とし込みます。